日々、探究。~世界の貧困について考えてみた:前編~
貧しさとは?豊かさとは?
今回は6月に実施した探究のご紹介です。
これまで様々なテーマで活動をしてきましたが、今回のテーマは「貧困」について。
日本国内でも「格差」や「貧困」について取り上げられることも多くなっていますね。
国内外問わず問題になっている貧困を取りあげ、子供達にも他人事ではなく身近な問題として意識してもらいたく、テーマとして取り上げました。
とてもデリケートな問題ですが、だからと言って目を背けるということはなるべくしたくありません。
様々なことを多面的に捉えるためにも、現実に向き合うことも時には大切です。
とはいえ、いきなり貧困について考えましょうというのはちょっと難しくもあります。
まずは意味のすり合わせから。
「貧しい、豊かさってどういうこと?」
「貧しさ」
・ご飯が3食きちんと食べられないこと
・好きな場所に行ったり、遊んだりできないこと
・お家がない
・寒いときに温かく、暑いときに涼しくすごせないこと
・安全に暮らせないこと
・お金がない
・「幸せ」って感じられないこと
「豊さ」
・おいしいご飯が食べられる
・夏休みとか、楽しいことができる(おでかけとか)
・健康に過ごせること
・家がある
・必要なお金がある
・「幸せ」って感じられること
など、みんなのイメージを出し合いました。
うんうん、なるほど。
豊さって?~概念を探究~
と、一人の子が
Cさん「でも、お金があるから豊かなのかな?」
!!(・`д・´)ふ、深い…!
A君「え!お金があれば何でも買えるじゃん!それって豊かなんじゃない?」
Cさん「お金があれば豪華な生活できたりするけど、じゃあ一人ぼっちで寂しかったら?」
みんな「確かに…(+_+)幸せだなとは思えないかも…」
う~ん、豊さって…なんだろう…。
Kさん「見た目は豊かでも、心は貧しいのって、どっちになるんだろう?豊か?貧しい??」
たしかに~!一言でどっちと区別できないね。
「豊かさとはなにか?」というテーマでのディスカッション
自然と「豊さとはなにか?」と自然と話あう子供達。
このような場合、大人の考えを介入させたくないので進行もすべて子供達に任せます。
気が済むまで、意見を共有しあってもらうのです。
「貧しい生活をしてても『今、私豊かだ~!』って思える事って、あるかな?」
「毎日が楽しいとか?」
「楽しいことがたくさんあれば、ちょっと嫌なことがあっても『今日も楽しかった~!』って思うかも。」
自由に自分のイメージを共有しながら、30分ほどディスカッションは続きました。
GDPを探究!?
さぁ、ではもうちょっと深くBOKENしていきましょう。
国内総生産(GDP)を基に、豊かさについて考えます。
世界各国のGDP数値を参考にしながら、白地図に色を塗っていきます。
GDPが高いところは緑、低くなるにつれて色を変化させていきます。
GDPという難しい言葉を理解した子供たちは、更なる輝きを放ちながら作業を開始します。
まるで、国際問題に取り組んでいる人々のように(*’▽’)
(子供達は難しい言葉を知ると、大人になった気分になるそうです。:BOKEN受講児童談)
かなり根気のいる作業ですが、黙々と作業を続ける子供達。
「ロシア塗るの大変~!」
「え!インドネシアって小さな島いっぱいあるの!?」
など、色を塗りながら国土の広さや形の特徴も知っていきます。
「日本ちっさ!!日本何個分でロシアの広さになるかな?」
「いっこ、にこ、さんこ…(-“-)」
指で日本の大きさを示しながら、数えていく子供たち。
みんな「…(‘Д’)ん~(途方もないことに気づき始める)」
何個だった?
O君「…200個!!」
うそつけぇ~~~~いっ( `▲´)ノ笑
でも、数えてみようという発想がとてもいいですね^^
そんな微笑ましいやり取りもありつつ、どんどんと白地図に色が付いていきます。
「ここ、真っ赤な国(GDPが低い国)が多い…」
「なんで?隣の国は緑(GDPが高い)なのに?」
そこには政治的な背景や国土の問題など様々な背景があります。
それぞれの背景を伝えるたびに、子供達の顔はどんどんと真剣になっていきます。
「なんで?」
解決策がきっとあるはず!
オリンピックの時もでしたが、戦争で問題解決をすることにとても疑問を持つ子供達。
「戦争ってお金かかるんだよね?(オリンピックをテーマにしたときに学んだこと)」
「それで何も解決されなくて、国が貧しくなるって意味ないじゃん!」
「ってかさ、『あなたの国は豊か、あなたの国は貧しい』って、なんか嫌だ。」
「差別してるみたいな感じしちゃうよね」
確かに、豊かさ・貧しさなんて言葉が世界からなくなるといいよね…
「いでっち、解決方法考えたい!!」
お!それいいね!!!(*’▽’)
粗方白地図を塗り終えていたので、ここで活動チェンジ!
「どうしたらみんな平等な世界になるか」
をテーマに、あれこれ解決策を考えます。
世界救助レンジャー誕生!?(おまけ)
J君「僕たち、世界を救う、救助レンジャーだ~~(・`д・´)ノキラ~ン!」
Iさん「え、絶対にレンジャーは嫌(‘▲’)」
J君「え~~!かっこいいじゃ~ん!!」
Iさん「絶対に嫌(‘▲’)」
時々脱線するのはご愛敬。笑
どんな解決策があったかは、後半でご紹介したいと思います。
次回もぜひご覧ください!